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地域づくりの公益団体 特定非営利活動法人しんしろドリーム荘

新城メンズ・シェッド

(空家再生型メンズ・シェッドとおやじ講を融合させた孤独・孤立対策)

目次

アメリカ合衆国医務総監がSMSの視察

 令和6年8月7日(水)、アメリカ合衆国医務総監が新城メンズシェッドの視察で見えました。
 全アメリカ人の医療の責任者であるDR.マーシーの制服姿を見て、事の重大性を改めて感じました。
 医務総監のお話しで感銘を受けたのは・・・

  • 米国では、20年前から孤独・孤立が保健衛生上の課題に挙がっていたこと
  • その対策として世界中に広がるメンズシェッドについて、その有効性を確認するために、日本版メンズシェッドとして「新城メンズシェッド」を自ら望んで視察に来られたとのこと
  • 医務総監の今日の目的は、実際にメンズシェッドに参加している者が「なぜ、参加したいと思うのか。」という本質的なことで、全員から聞きたいという熱意があふれて見えて、その情熱が伝わったメンバーの話しを時間の都合で止めるのが大変でした。
  • 日本の内閣府の孤独・孤立対策が世界の先駆けになっているということを知りました。

 普段は本音をあまり語らないメンズシェッドのメンバーですが、今日は、「楽しくてしかたない。」という本音を聞くことができ、世話役として本当にやってよかったと思った次第です。

 本当に充実した時間でした。特定非営利活動法人しんしろドリーム荘 アメリカ合衆国医務総監がSMSの視察特定非営利活動法人しんしろドリーム荘 アメリカ合衆国医務総監がSMSの視察

米国医務総監の新城メンズシェッド視察についての令和6年8月8日の朝刊の報道です。


自民党・孤独・孤立対策特命委員会で公演

 先日、自民党政務調査会、孤独・孤立対策特別委員会でNPOを代表して講演を行ってきました。
 そこで、政府が孤独・孤立対策について3年間に及んで検討を重ねた資料を拝読いたしましたが、政府官僚の高い能力とともに、私のような者からも学ぼうとする、その姿勢に感服しました。
 日本の真ん中、東京・永田町で「しんしろドリーム荘山本さんの活動は、全国のリーダー的NPO活動だ。」と言って頂いたことは、本当にうれしく思いました。
 令和6年4月施行の新法「孤独・孤独対策推進法」に定められるNPOの役割りを全国をリードして行きたいと思います。

 ここに発表資料を公表します。
特定非営利活動法人しんしろドリーム荘 しんしろメンズ・シェッド 自民党政務調査会、孤独・孤立対策特別委員会で講演
特定非営利活動法人しんしろドリーム荘 しんしろメンズ・シェッド 自民党政務調査会、孤独・孤立対策特別委員会で講演


新城メンズシェッドの進展を状況をお知らせします

令和6(2024)年度「住まいとコミュニティづくり活動助成」コミュニティ活動助成
~炭焼小屋メンズシェッドで男性高齢者を再生する事業~

具体的内容

 当団体は、2005年の設立以来、子どもから大人、高齢者、障害者など全層に及ぶコミュニティ活動を展開し、高齢者コミュニティサロン「うたごえサロン」では、年間延べ3千人程の利用者がありますが、男声高齢者の参加は1割程と少なく、アプローチの改善を思案していました。
 そこに、令和6年4月施行「孤独・孤立対策推進法」に先駆けたNPOの先駆的な取り組みの募集があり、それを好機に構築したのが「空家再生型メンズシェッド」です。

  •  「世界一孤独な日本のオジサン」(岡本純子著)では、「孤独は命取りで、孤独対策を通じた『オジサンの再生』が日本創世の起爆剤になるかもしれない。」と書かれています。
  •  メンズシェッド(Men's Shed,男の小屋)とは、オーストラリアから世界中で広がりをみせている、特に孤独や社会的孤立、心理的な問題を抱える男性にとって重要な場所で、ものづくり作業等で他の人と時間を過ごしケアされるものです。そこでは、女性は対面して話すが男性は肩を並べて話す、男性は役割りによって行動するという分析にもとづく工夫がなされています。
  •  男性高齢者は役割りで行動するので、地域課題である空家問題を解決するのは、実印を持つおとうさんの力が必要とお願いして動いてもらうことができます。
  •  本活動の準備状況は、令和5年度からスタートし、実行委員が八名井地区の炭焼き小屋を探し出し、今は独りで維持管理していた持ち主と話し合い同意を得るところまで進みました。
     そこで、本助成活動では、次のことを実施し、本活動を本格軌道に乗せたいと思います。
  • 活動① 炭焼小屋メンズシェッドの整備
     令和5年度、内閣官房「孤独・孤立対策NPOモデル事業」で、炭焼き小屋跡地を地権者の同意を得てメンズシェッドに選定しましたが、雨漏りなど修繕が必要であり、本事業では、地区住民との共同作業で魅力ある場所へと整備を進めたい。
  • 活動② 世代交流イベントの実施
     メンズシェッドでは、炭焼き工芸品、木工細工、リユース品交換、おもちゃの病院など、多世代での交流を進める計画であり、そのために本年度にPRイベントを実施したい。

2024年9月末、中間時点での進捗


しんしろメンズ・シェッド

地域の空家を再生・利用し、木工や金属工作などを共同する「メンズ・シェッド(Men’s Shed:男たちの小屋)」を開設し、車座になって情報交換する場「おやじ講」を開催し、そこに集まったものが、お互いの抱える問題の解決や地域貢献について考え、他者のためになるイベントを企画運営するといった作業を通じて、心身の健康が促進されるものです。

メンズ・シェッド(Men’s Shed)とは

1990年代半ばにオーストラリアで開始された「Men’s Sheds」(男性達の小屋)。退職された方が集まりものづくりをしたり、地域社会の支援をする小さなコミュニティーです。
このコミュニティーは、オーストラリアでは1,100に達し、今国の枠を超えて、世界に広がりつつあります。例えば、ヨーロッパの「Men’s Sheds」も立ち上がっています。
実際にやることは、ペットのための小屋を作ったり、野鳥の巣箱作りなどを地域の子供達と共に行ったりします。また、家具の修理や自転車の修理など、まさに地域に必要な活動を行うコミュニティーです。
退職者が輝くものづくりコミュニティー「Men’s Sheds」が世界に広がる – Social Design News より抜粋)

「おやじ講」とは

奥三河地域には「おやじ講」というものが古くからあり、村の男性がほったて小屋に集まり、火を焚き、五平餅など食べながら、地域の課題、家族のことなど情報を共有し学びあう場でした。


男性高齢者(定年退職者)の孤独問題

今、日本では身寄りがなく、社会との接点が少なくて、孤独に苦しむ人たちがいます。新型コロナウイルスの感染拡大で、人々の交流が少なくなり、そうした人たちがいっそう増えているといいます。この孤独問題への対策が国をあげて進んでいるのがイギリスです。

イギリスが「孤独担当大臣」を世界で初めて設けましたのは、2018年1月でした。当時のテリーザ・メイ首相が、「孤独は現代の公衆衛生上、最も大きな課題の一つ」として、担当大臣にトレイシー・クラウチ議員を任命しました。孤独は、肥満や一日15本の喫煙以上に体に悪く、孤独な人は、社会的なつながりを持つ人に比べ、天寿を全うせずに亡くなる割合は1.5倍に上がるとの調査結果も発表されました。孤独で生じる経済的損失は、約4,8兆円に達すると言われています。

男性の孤独解消に効果が高いと注目を浴びたのは、「メンズ・シェッド(mens’ shed)」です。これは、「男たちの小屋」とでもいうのでしょうか。ひとことで言うと、定年退職した男性の居場所作りですね。定年後の男性はとかく孤独に陥りがち。そうした方々が定期的に集まって、大工仕事を一緒に行う。テーブルやベンチをこしらえて公園に設置してもいいし、学校に手作りの遊具を寄付しても喜ばれます。男性の皆さんは、手を動かして一緒にものを作ることで「友情が生まれ、生きがいに通じる」と言います。会社勤めをしていた時は、あまり目を向けなかったコミュニティーとの絆ができて、感謝の言葉をかけられる。これは、孤独解消に大きな力があったと評価されています。
「イギリスの孤独対策に学ぶ」(視点・論点) NHK解説委員室 より抜粋)

知らないうちに「孤独」が大変なことに

アメリカ・ブリガムヤング大学のホルトランスタッド教授は「世界中の多くの国々で、『孤独伝染病』が蔓延(まんえん)している」と発表しました。また、オバマ大統領の下で公衆衛生局長官を務めたマーシー氏は「病気になる人々を観察し続けて分かったが、その共通した病理(病気の原因)は心臓病でも、糖尿病でもない。それは孤独だった」と、孤独が健康に与える負の影響を指摘しました。

ホルトランスタッド教授は30万人以上を対象に調査したところ「社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下する」といった結果を発表しました。孤独のリスクは、
(1)1日タバコ15本吸うことに匹敵
(2)アルコール依存症であることに匹敵
(3)運動をしないことよりも高い
(4)肥満の2倍高い
と結論づけているんですよね。また、友だちが多い人は、ほとんどいない人よりも長生きすることが分かってきました。
なぜオジサンは「孤独」の犠牲者になりやすいのか:土曜インタビュー劇場(ぼっち公演) - ITmedia ビジネスオンライン より抜粋)